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阪神・村上頌樹 「新人王」&「最優秀防御率」獲得で完結させるシンデレラストーリー/タイトル争い参戦中

 

抜群の安定感で優勝へ向かうチームの原動力になっている村上


 シンデレラストーリーの最後はタイトル獲得なのだろうか。8月3試合続けて勝ちがなかった村上頌樹が4試合ぶりに勝利したのは8月25日の巨人戦(東京ドーム)だった。

 プロ3年目で見事にブレークした右腕は、因縁の巨人を相手に6回3安打1失点で8勝目をマーク。この時点での防御率1.89はセ・リーグで唯一1点台をキープしたのだ。

「まだ2ケタ勝利もありますし、防御率ももっと良くしていって、チームの勝ちのために腕を振っていきたいです」

 4月12日の同じ東京ドームでの巨人戦で、7回パーフェクト投球だったが交代指令が下った。ベンチに下がったときは冷静に見えた村上だったが、実は感情をむき出しに巨人を封じ込んだ。

 先発ローテーションを守る村上に岡田彰布監督も「防御率が(スコアボードに)載るんで、そればっかり見ていた。なんとかせっかくのチャンスやから獲らせてあげたいよな」と親心をのぞかせる。

 ウエスタン・リーグでは最多勝、最優秀防御率、最高勝率などタイトルを獲得してきた。しかし一軍登板は2021年の2試合だけにとどまっていた。9月に入り、1日のヤクルト戦(神宮)では7回を無失点、8日の広島戦(甲子園)では7回1/3を1失点。9月11日現在、防御率1.76で堂々のリーグトップに立ち、新人王の受賞と防御率のタイトルが視野に入る。

 チームの18年ぶり悲願を背負う男は「攻め方をどうするか、配球も考えながら投げていきたい。自分の投球ができるようにどんどん攻めたい」と闘争心を燃やしている。

写真=BBM
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