当然のごとく、マウンドに立ち続ける。益田直也は2018年から6年連続で50試合以上の登板を達成。昨季はシーズン途中で譲った守護神の座を最後まで全うする。
開幕前、吉井監督は勝ちパターンを明言しなかった。打線の巡り合わせや試合展開を見て、臨機応変にブルペンを稼働させるためだ。それでも、経験豊富な33歳に最終回を託すことが多い。35セーブ(9月15日現在)はリーグトップ。指揮官は「クローザーは決めていないが、どうしても益田が一番安心して出せる。早く益田を超える若い選手が出てきてほしい」と言い切る。
今季は2つの節目を迎えた。5月18日の
オリックス戦では、本拠地ZOZOマリンで同一球場での100セーブをマーク。史上4人目、パ・リーグでは初の快挙に、「大事なところで使っていただいた監督やコーチに感謝したい」と話した。
6月16日の
DeNA戦(横浜)ではプロ12年目で通算200セーブに到達。
「きょうは緊張した。ふわふわしていた」と記録がかかったマウンドはいつもと違う緊張感に包まれた。それでも、危なげなく3人で締め、「浮き沈みの激しい12年間だった。その中で数字が残ったことは一つの自信になる。いつも抑えて当たり前ですけど、こういう瞬間にうれしくなる」と笑った。
自身の活躍より、最優先はチームの勝利。お立ち台に呼ばれても、後輩に譲ることもあった。
「個人よりもチーム。監督を胴上げできるように頑張る」
歓喜の瞬間、その中心にはこの男がいる。
写真=井沢雄一郎