3年連続40試合登板の向こう側に待っていたのはシーズン初勝利だった。藤嶋健人が白星を手にしたのは、今季45試合目の登板となった9月1日の
広島戦(マツダ広島)。同点の7回に四番手で登板して1イニングを無失点に抑えた。7月に始まった無失点登板試合は24まで伸びだ。
一番からの好打順をねじ伏せた。
野間峻祥、
矢野雅哉、
小園海斗を打ち取る。「前のピッチャーから受け取ったいい流れを、次のピッチャーへつなげられました」と汗をぬぐった。
ポジションが上がっている。絶対的守護神のマルティネスへつなぐ人員の一人。夏場に、
勝野昌慶がが、そして
清水達也が勝ちパターンから外れた。トレード加入した
齋藤綱記、新助っ人
フェリスとともに、同点またはリードした場面での登板機会をゲットしたのが藤嶋。無失点試合を積み重ねて、力づくで立場をつくった。
立浪監督は「0」で帰ってくるリリーバーを高く評価する。「いろいろなポジションでよく頑張ってくれている。タフな投手なのでベンチとしては助かっています」と目を細める。
入団7年目。心に留めているのは先輩・
祖父江大輔からのアドバイス。もらったのは2019年。21試合連続無失点が止まった8月末、延長で
ヤクルト・
山田哲人に3ランを放たれた。
「中継ぎは防御率より成功率。1試合で何点取られようと、次の試合。さらにその次の試合で抑えて信頼を積み重ねる。それが成功率」と伝えられた。
9月16日の
巨人戦(バンテリン)は守護神のマルティネスのアクシデントにより、9回二死から緊急登板。一発同点のピンチを抑え、無失点登板試合を28まで伸ばした。
2日後の登板となった18日の広島戦(バンテリン)で無失点記録は途切れたが、強く、タフに、竜のブルペンを支えていく。
写真=BBM