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ソフトバンク・柳町達 芽生えた自覚も胸に/この場所は譲れない

 

柳町のレギュラー定着に向けては、対左投手がカギに


 外野の一角をつかみ取る。ロッテ楽天との三つ巴のクライマックスシリーズ(CS)争いが激化する中、体調不良で主力野手が相次いで離脱した時期も。3連敗中の9月18日の日本ハム戦(エスコンF)で五番に起用された柳町達が、白星をたぐり寄せた。好機を何度もつぶす苦しい展開で迎えた同点の8回一死一塁。左中間を破る勝ち越し三塁打を放った。普段はクールな男から派手なガッツポーズも飛び出した。「後ろの打者につなぐという意識で打席に入った。なかなか1点が遠くて、取れなかった中、何とか1点が取れたという喜びがこみ上げてきた。(外野手の頭を)越えてくれと願いながら走っていた」と喜んだ。

 チームにとっても、柳町にとっても、大きな意味があった。殊勲打は左投手の河野竜生から放ったもの。対左投手の打率は1割台と相性が悪く、左投手が先発の試合はスタメンから外れることも多い。活躍した翌日にスタメン落ちの憂き目を何度も味わってきた。「ずっと課題としてやってきたので、(左から)打てたのは良かったと思う」と笑みを浮かべた。

 昨季は自己最多の107試合に出場。今季は外野のレギュラー定着を掲げてやってきた。この試合では右翼で先発し、中堅、右翼、左翼と守備位置を転々としながらチームの勝利に貢献。「主力野手がたくさん抜けて、引っ張っていかないといけないという思いも出て来つつある」と力を込めた。3年連続でのV逸は決まったが、まだ戦いは終わっていない。「一つでも上の順位を目指してやっていきたい」とCS進出からの“下克上”を狙う。

写真=BBM
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