7月30日の
西武戦(
楽天モバイル)。歓喜の輪の中心にいたのは、村林一輝だった。4対4で迎えた延長10回、無死二、三塁。村林一輝がスライダーを振り切ると、打球は左中間を破った。
8年目でプロ初のサヨナラ打。「先輩方がつないでくれたチャンスで、いい結果が出せて良かったです」と充実感を漂わせた。
堅守が自慢の内野手。2021年はキャリアハイの79試合に出場したが、打率.150。ルーキーイヤーから課題とする打撃力が上がらず、守備固めでの出場がほとんどだった。逆方向への打撃を意識した時期もあったが、結果にはつながらなかった。
ただ、筋トレに加えて体重も増やして迎えた今季は、ミート力に加えてスイングスピードも向上。7月2日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)ではプロ初の4安打で5打点をマークした。
石井一久監督に「村林は(バットが)こん棒ぐらいの太さの感じに見える。すごくいいアプローチをしているし、凡打の内容も含めていい」と言わせるほど打撃力がアップした。
キャンプから
山崎剛、
小深田大翔と遊撃のポジションを争った。開幕から6月までは山崎にレギュラーの座を譲ったが、6月末から遊撃のレギュラーに。10月1日の時点で93試合の出場は自己最多を大きく更新している。「取り組んできたことが少し結びついている」と手応えをにじませている。
グラブさばきはチーム随一で、球際にも強い。「とにかく必死にやるだけです」と村林。25歳でようやくつかんだ遊撃のポジションは、誰にも渡すつもりはない。
写真=BBM