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楽天・銀次 プロ18年生の逆襲/復活を遂げた男たち

 


 一塁ベース上で堂々と右手を突き上げた。9月25日の日本ハム戦(エスコンF)。1対1の同点で迎えた9回表、一死満塁。炭谷銀仁朗の代打で登場した銀次が、伊藤大海の投じた2球目、141キロのフォークを左前へ運んだ。

 今季初安打が決勝打になった。9対1の大勝に貢献し「ヒットを打つことだけを考えていました。ああいう場面で出してくれた監督にすごく感謝しています」と喜び爆発させた。

 経験豊富でミート力もチーム随一。だが、好結果をもたらしたのは「気持ち」だったという。初球の内角カットボールは見逃した。

「1球目がめちゃくちゃいいボールだったので、これは結構きついかなと思った。でも、ここは形じゃない。次のボールは思い切って振りました」と手応えをにじませた。石井一久監督は「本当に彼らしいヒットを打ってくれた」と笑顔でたたえた。

 20代後半から、すでに30代後半で活躍することを見据えてさまざまなトレーニングを積み重ねてきた。だが、プロ18年目の今季はキャンプから二軍暮らしが続いた。

 悔しくないはずがない。それでも二軍では「一日を無駄にしないようにやっていこうぜ」と時には若手を鼓舞しながら前向きに汗を流した。二軍では87試合に出場し打率.275。9月22日、ようやく今季初昇格を果たした。

 昨年までに通算1238安打のバットマン。「野球は本当に何があるか分からない。最後の最後まで戦えることが大事」と気持ちを高ぶらせた。復活を印象づけたバットマンは、これからも安打を積み重ねていく。

写真=BBM
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