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中日・梅津晃大 シーズン終盤の光明/復活を遂げた男たち

 


 1177日ぶりの白星だった。中日の梅津晃大にとって、右肘内側側副靱帯再建術を乗り越え、復帰3戦目のマウンドとなったのは9月25日の阪神戦(バンテリン)だ。

「しっかり勝って、この景色を見たいと思っていたのですごくうれしい」。お立ち台で感慨深げな表情を浮かべた。

 攻めた。2回の先頭で佐藤輝明に直球を左中間に運ばれ、先制点を与えた。それでも一歩も引かなかった。「直球を打たれたけど、そこで逃げるわけにもいかない。打たれた真っすぐで抑えにいった」。

 以降の2打席はすべて直球勝負で抑えた。8回を5安打1失点。107球を投げ、復活への一歩を踏み出した。

 歯車が狂い出したのは、2020年8月2日のヤクルト戦(バンテリン)。延長10回を投げ、スコアレスドローに。そこから違和感を覚えるようになった。

 3年目は未勝利に終わり、4年目の春季キャンプで取り返しがつかないほど悪化した。紅白戦でゆうに150キロを越えていた直球は130キロ台に落ちた。4つの病院で診察を受け、すべての医師からトミー・ジョン手術を勧められ、決断した。

 リハビリの時間も進化の過程にした。ウエート・トレーニングを本格的にスタート。胸板は分厚くなり、腕も見た目で分かるほど太くなった。体重は8キロ増え、100キロに達した。

 復帰初戦となった8月31日のヤクルト戦(バンテリン)では自己最速の155キロをマーク。未来のエースと呼ばれてはや5年。「未来」が取れる日が、いよいよやってくる。来季の活躍が楽しみだ。

写真=BBM
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