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阪神・大竹耕太郎 現役ドラフトの恩恵を受け躍進した先発左腕/復活を遂げた男たち

 

今季は自己最多の12勝を挙げて優勝に貢献した大竹


 現役ドラフト制度の導入でもっとも恩恵を受けたのが、大竹耕太郎の開花だった。ソフトバンクで埋もれた左腕は新天地で名声を上げた。本人が「現役ドラフトのルール自体が選手にとってポジティブなイメージがつくように頑張りたい」と語っていたこともあり、今後の指針になったともいえる。

 2018年育成ドラフト4位でソフトバンク入りし、同年7月末に支配下選手登録された。21、22年は未勝利だったが、昨オフの現役ドラフトで岡田彰布監督から指名を受けた。

 今季初勝利を挙げた4月8日のヤクルト戦(甲子園)から5連勝、夏場に差し掛かったところで調子を落としたが、8月から息を吹き返した。

「今日が良かったからといって、野球人生が終わるわけじゃない。もっと、もっといい投球をしたいです」

 その謙虚さで、変化球を生かすストレートを磨きながら緩急をつけて勝ち星を積み重ねた。右の村上頌樹とともに先発ローテーションを守り続けた貢献度は高い。

 9月23日のヤクルト戦(神宮)で12勝目。阪神移籍1年目では1983年野村収の12勝以来、左腕では03年下柳剛の10勝を超える最多になった。

 最終まで東克樹(DeNA)らと最多勝、最高勝率のタイトル争いを演じながらリーグ優勝に貢献。特に対広島戦6勝はクライマックスシリーズへの強みかもしれない。

 大竹は「もっと勝てるようになって、日本一になりたい」と、さらにその先の高みを目指す。

写真=BBM
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