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西武・豆田泰志 来季の勝利の方程式入りを胸に期す右腕/飛躍のシーズン

 

今季はリリーフとして16試合に登板した豆田


 この1年で、見える景色が大きく変わった。2021年、浦和実高から育成ドラフト4位で入団した豆田泰志。ただただ、支配下登録を目指し、イースタン・リーグのマウンドに立ち続けてきた。藤川球児(元阪神ほか)のような「分かっていても前に飛ばない、ホップするようなボール」を理想として磨くストレートに高評価を受けつつも、なかなか2ケタ背番号はもらえずに3年目を過ごしていた。

 ようやく念願が叶ったのは今年の7月21日だった。中継ぎとして二軍戦で26試合登板、1勝0敗1セーブ、防御率2.43と成績でも着実な成長を証明し、満を持して支配下選手契約を結んだ。同26日には待望の一軍昇格を果たし、28日に一軍デビュー。以後、8合連続無失点が続き、投げるたびに首脳陣からの信頼は高まっていった。起用される場面も序盤こそビハインドが主だったが、途中から要所を任されるようになったことが、その何よりの証明だろう。

 勝敗のかかる緊迫した場面でも、20歳右腕はまったく臆することなく持ち味を発揮。10月3日のロッテ戦(ZOZOマリン)、シーズン最終戦では3点リードの9回のマウンドに上がり、見事無失点に抑えてプロ初セーブを記録した。育成選手のときは先発としてローテーションを回ったこともあったが、自身の中では「チームの現状を考えると、今の自分は中継ぎでと思っている」と言うだけに、「初勝利ぐらいうれしいですが、正直、自分的には初セーブのほうが狙っていたので」と喜んだ。

「リリーフで勝負する以上、抑えや勝ちパターンなど、大事なところで任される投手になりたい」

 来季の勝利の方程式入りを胸に期す。

写真=BBM
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