敵地での歓声が心地よかった。10月1日の
オリックス戦(京セラドーム)。先発した荘司康誠は5回を投げて2失点の粘投。9安打を打たれながら、要所を締めて今季5勝目を挙げた。
CS進出へ向けて大事な一戦で白星を手にし「負けられない試合で、負けなかったのは良かったです」と満足そうに汗を拭った。
189センチの今季ドラフト1位右腕はシーズン序盤の苦い経験も、成長の糧とした。プロ初勝利を飾ったのは、7月5日のオリックス戦(
楽天モバイル)だった。
プロ初登板から実に9試合を要し、その間に3敗を喫した。ただ、さらなる成長を求めて先輩の投球内容や調整法を見て学んだ。ベテランの
岸孝之からはカーブを教わったという。緩い変化球に磨きをかけたことで、150キロ超の直球がさらに威力を増した。
10月1日のオリックス戦まで、13試合連続で負けなかった。楽天の新人で5連勝は2013年の
則本昂大、21年の
早川隆久に続き3人目だ。
「負けていないということは、大きく試合を壊していないというふうにも取れる。なんとか粘っていれば、逆転してくれると思っている。点を取られても、できるだけ少なく次につなげられれば」。味方打線を信じ、冷静に投げることを心掛けたことが好結果につながったという。
カットボールやスプリットなど、キレのある変化球も持ち味。制球が乱れて
石井一久監督に「暴れ馬」と評されたこともあるが、開幕からローテを守ってチームに貢献した。
ルーキーイヤーは19試合登板で5勝3敗、防御率3.36。ドライチルーキーは新人年から、その役割を十分に果たしたと言えるだろう。
写真=BBM