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日本ハム・マルティネス 来日6年目で初の規定打席到達にキャリアハイ。攻守に欠かせぬ存在に/助っ人の通信簿

 

明るいキャラクターでチームに溶け込み、パ・リーグの野球にも順応できた


 アリエル・マルティネスは新天地で真の実力を発揮した。日本ハムに加入1年目の今季は、来日6年目で初めてシーズン規定打席に到達。119試合出場で打率.246ながら15本塁打と66打点はキャリアハイ。パワフルで勝負強い打撃を前面に押し出す姿は助っ人として頼もしく、チームの主軸として打線に欠かせない存在になった。

 本職の捕手としても十分に戦力となれることを証明するシーズンでもあった。中日時代の2021年以来となるスタメンマスクも今季は29試合あった。気心が知れる外国人投手相手の女房役だけでなく、的の大きな大型捕手は制球に苦しむ投手にとっても投げやすさがあった。新庄剛志監督も日本人捕手とは一線を画す配球面も評価し、積極的に起用した。

 マルティネスのモチベーションの1つはヒーローインタビューに呼ばれることだった。お立ち台に上がるため、勝利に貢献する一打を打ちたいと奮闘し続けた。自ら打点も挙げて勝利に貢献しながらも他に活躍した選手がヒーローに選ばれると「なんで俺じゃないんだ」と冗談交じりに悔しがるなど、明るいキャラクターも実力開花の下地にあった。

 18年に育成選手として中日に入団してから少しずつ覚えた日本語は、ほぼリスニングができる。話すことも「キョウモ、チャーハン!」など、簡単なやり取りも可能。言葉の壁を感じさせないところが、明るくチームに溶け込める要因だ。パ・リーグの野球にすんなりと順応できた今季を踏まえ、残留が濃厚な2年目の来季はさらなる爆発が期待できる。

写真=BBM
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