マイナー通算74本塁打の助っ人が、日本に来てから才能を開花させつつある。セデーニョの入団時の背番号は3ケタの『121』だった。アピールを続け、5月19日に支配下選手登録を勝ち取ると、その後も着実に実力を発揮。来日1年目の今季は、最終的に57試合に出場し、打率.244、9本塁打、34打点の成績を残してみせた。
ペナントレースの行方を左右する“勝負の夏”を迎えるころには、チームの救世主となっていた。主軸を張る森が負傷離脱した際は“代役”で四番を務めることもあるなど、夏場には“覚醒”の気配も見せた。7月は18試合に出場して打率.309、7本塁打、23打点と打ちまくり、チームに勢いをもたらした。
ベネズエラ出身の助っ人は、自身の右肩に、大きなタトゥーを入れている。
「(刻んでいるのは)自分の絵です。自分が初めてプロとして契約した日とホームタウンを書いています」と笑顔で明かす。
ハットをかぶった右打者がスイングするようなイラストと、プロ契約を結んだ記念日『29-06-14』を刻み、“初心”を忘れないようにしている。
育成契約で入団し、体を絞ってから一軍昇格したため、入団時は3ケタの背番号だった。試合前の円陣ではチームメートの
石川亮や
西野真弘らと明るく話すシーンも目立ち、すっかりとチームに馴染んでいる。持ち味である長打力に加え、一塁への守備にも意欲を見せる25歳。野望を抱いて海を越えてきた助っ人が、新たな伝説を刻み、常勝軍団形成のワンピースとなっていく。
写真=BBM