今季は盗塁成功率も高く、勝利に導く盗塁を多く重ねた
5年目の
近本光司にとって、またしてもスペシャリストぶりを発揮したシーズンになった。2年連続4度目の盗塁王に輝いた。
「自分自身が走りたい場面だったり、納得のいく盗塁が結構あったのは良かったと思います。でも課題もありますからね」
2019年36盗塁、20年31盗塁、22年30盗塁、23年が28盗塁。その中でも今シーズンの盗塁成功率.903(企図31、成功28)は5年間で最も高い数字だ。
スロースターターと言われた近本だが、4月終了時点は打率.333で課題は解消された。だが「盗塁って難しい」と漏らすなど1盗塁にとどまった。
持ち前の快足ぶりが目立ったのは8盗塁を決めた8月だ。月間打率も.327と高く、打撃好調から盗塁数にも直結した形になった。
夏場に盗塁を量産できたことについては「しっかりとスタートが切れたのが大きい。80〜90%の感覚」と確かな手応えをつかんだ時期だった。
肋骨骨折のアクシデントで3週間、チームを離れたが、シーズンを通して働いた。1試合2盗塁が3度、3盗塁が1度と相手にプレッシャーをかけた。特にスタートに重点を置きながら要警戒のトップバッターに君臨した。
来季はレッドスターこと、
赤星憲広の持つ球団最多5度目の盗塁王へ手が届くところにきた。「近本が走れば勝つ」という伝説に近づくリードオフマンがチームをけん引する。
写真=BBM