履正社高から2021年にドラフト6位で入団した内星龍。今季、勝負の3年目に190センチ右腕が大きな飛躍を果たした。自己最多となる53試合に登板し4勝2敗、7ホールド。防御率2.28。リリーフ陣に欠かせない存在となった。
中学時は北大阪ボーイズに所属し、投手に転向したのは高校入学後のこと。高校2年の夏までは公式戦未登板だった。当初は
ダルビッシュ有(現パドレス)や
大谷翔平(現エンゼルス)を意識したフォームだったが、右肩の不調もあって思うような投球はできなかったという。
「どういった投げ方が自分に合っているのか」と試行錯誤を繰り返す中で、
オリックス・
山本由伸投手の動画を見たという。「一度まねをしてみたら、投げる球も良くて、肩の調子も良かった」。当時、130キロほどだった球速は15キロ近くも上がったという。
昨年は当時の
石井一久監督からスライダーを教わり、変化球に磨きをかけた。昨シーズンは二軍で15試合に登板して防御率8点台と苦しんだが、今季は開幕一軍入りを果たした。山本をお手本にした力感のないフォームから、角度のついた直球とスプリットを軸とし、石井一久前監督から伝授されたスライダーも武器に躍動した。
石井前監督からは、緊迫した場面でストライクを投げ込む勝負度胸も含めて評価された。内は「145キロの力感で160キロに見せたい」と誓った。山本の合同自主トレにも参加する大型右腕は尊敬する大投手にも学び、さらなる成長を目指す。
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