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ロッテ・中森俊介 漂う大器の片鱗/この男に要注目!

 


 未来のエース候補は、その実力の片鱗を示した。中森俊介は高卒3年目の今シーズン、プロ初登板を含む13試合に登板。先発のマウンドにも立ち、経験を積む1年となった。

 堂々とした立ち振る舞いだった。リーグ覇者オリックスとのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ(京セラドーム)。10月20日の第3戦は、チーム事情により救援投手でつなぐ「ブルペンデー」を決行した。

 21歳は二番手で登板。2回、捕手の佐藤都がバント処理で二塁に悪送球。いきなり背負った一死一、三塁でも冷静だった。

「ピンチを抑えたら次にチャンスが来ると思って投げていた。ミスをカバーできたら、チームに勢いがつく」

 中川圭太を空振り三振に仕留めるなど後続を抑え、そのまま3回1安打無失点、4奪三振の好投。チェンジアップは打者のタイミングを外し、相手の勢いを止めた。

 黒木投手コーチは「打者に向かっていくものは良かった。負けられない試合で素晴らしい投球をしてくれたと思う」と右腕を賞賛した。

 魅力は明石商高時代、甲子園に3度出場するなど大舞台を知る強心臓。1年目から知る小野投手コーチは「メンタルの強さ、考え方は良いものがある」と認める。プロ初先発となった8月23日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)は「良い緊張感の中で試合に入れた」と振り返った。

 今季は開幕直後と最終盤に一軍で投げながら、シーズン中に体力と実技の向上のため、ファームで過ごす時期もあった。11月下旬から約1カ月間、オーストラリアのウインター・リーグでの「武者修行」に出る予定もある。4年目の来季は、自身もファンも「一軍が主戦場」の姿を求めているはずだ。

写真=桜井ひとし
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