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日本ハム・河野竜生 自身初の50試合登板達成。リリーフ完走で生きる道を開拓したシーズンに/陰のチームMVP

 

勝利の方程式の一角として20ホールドをマークした


 今季の河野竜生の“奮投”ぶりは目を見張るものがあった。投手陣を預かる建山義紀投手コーチも「河野は今年、覚醒した。リリーフを1年しっかり投げきるのは難しいんですけど、いい形で勝ちパターンでやってくれました」と称えたように、勝利の方程式の一角として自身初の50試合登板も達成。2020年ドラフト1位のポテンシャルを開花させた。

 防御率は1.70で終えた。50試合以上の登板を果たしたパ・リーグの救援投手の中で1点台は楽天の守護神・松井裕樹(1.57)と河野の2人だけ。キレのある真っすぐで臆せず内角を攻め、カットボールなども交えながら試合の要所を締め続けてきた証。「その試合、その試合でベストを出すだけ」という意識も相まってキャリアハイをたたき出した。

 新庄剛志監督の期待に最も応えた試合は9月16日のソフトバンク戦(エスコンF)だった。河野は同点の9回に登板した。新庄監督は試合後に「(9回先頭の)柳田(悠岐)君と河野君が相性悪かったから『行け』という気持ちで。こういうところで相性の悪いバッターを抑えて自信を付けてもらわないと成長しない」と、あえて対戦させたことを明かした。

 結果を積み重ねて増した期待度の高さを証明する采配に、河野も柳田を抑えて無失点で呼応。チームもサヨナラ勝利で2年ぶりの勝利も手にした。開幕一軍こそ逃した4年目だったが、20ホールドを記録してプロで生きる道を開拓できたシーズンに。「この1年で終わらないよう、来年はこれ以上の成績を残せるように」。来季もチームを支える。

写真=BBM
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