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オリックス・石川亮 “きっかけ”をつくり続けて「僕はそういう人間でありたい」/陰のチームMVP

 


 移籍1年目から遺憾なく存在感を発揮した。チームの「陰MVP」を選出するならば、石川亮だろう。日本ハムからトレード移籍で加入した今季は出場14試合で11打数1安打の打率.091の成績だったとはいえ、リーグ3連覇に貢献したのは間違いない。

 試合中、ベンチ最前列で大きな声を上げる“新戦力”の存在が際立った。爽やかなルックスにも注目が集まる28歳は「とにかく、気負ったらダメ。僕がカッコつける理由なんてサラサラない」と、新天地でもナインを鼓舞し続けた。

 捕手のポジションには森友哉若月健矢と同学年が並ぶ。競争の激しいポジションながら「相手を知りたければ、自分をさらけ出すこと。そのあとは、相手が決めること」と、円滑なコミュニケーションを図るのは投手陣だけでない。

 今季はリーグ3連覇に貢献し、阪神との日本シリーズ第4戦(甲子園)では9回に代打で出場して、きっちりと犠打を決めた。

「僕一人ですべてを変えられるわけではないですけど、そのきっかけになれたらなと思っています。ムードをつくるときは、誰かが一発目に踏み込まないと。タイミングと場面を見て、盛り上げられるような心掛けはしています」

 来季、プロ11年目を迎える。経験も豊富な捕手は「野球の技術以外の面で勝敗を変えられる可能性がある。僕はそういう人間でありたい」と真っすぐな思いを口にする。

 甘いマスクの奥には、揺るがぬ信念がある。

写真=BBM
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