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中日・松山晋也 育成から勝利の方程式入り/陰のチームMVP

 


 成り上がりストーリーを地で行っている。八戸学院大から育成ドラフト1位で入団した松山晋也だ。6月に支配下契約を勝ち取ると、150キロを超える直球とフォーク、そして気迫あふれる投げっぷりを武器に中継ぎとして存在感を発揮した。

 シーズン終盤には勝ちパターンを任されるなど、チームに欠かせない存在に。36試合に登板し1勝1敗、17ホールド、防御率1.27の成績をマークした。

「1年やってみて、後半は疲れがたまったときもあった。そこに弱さを感じた。このオフは真っすぐを、もっと強くできるようにしたい」と鼻息は荒い。

 入団当初は300万円だった年俸も支配下になって420万円に。そして11月8日の契約更改交渉で1330万円アップの1750万円(推定)でサインした。当初の年俸から約6倍に。「光栄なことです。満足感しかない」と笑顔を見せた。

 1年前のちょうど今ごろはドラフト会議。その前夜、松山は大学のグラウンドのマウンドに布団を敷き、午後10時に就寝した。「最後はやることやって、野球の神様にお願いするしかないと思ったんです」。

 はっきり言って変わっている。しかし、それくらいの熱量がなければ、育成からここまではい上がってこれなかったかもしれない。ちなみにサッカー部の朝練が始まった午前5時半に、その声で目覚めたそうだ。

 来季の目標に「防御率0点台」「160キロ」「50試合登板」を掲げる。当たり前のようにすべてを叶えている1年後しか見えない。

写真=BBM
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