10月7日の
ソフトバンク戦(
楽天モバイル)。記念ボードを掲げた松井裕樹に球場中から割れんばかりの拍手が注がれた。
史上107人目となる通算500登板を達成。27歳11カ月での到達は史上4番目の年少記録だ。「本拠地で達成できたことをうれしく思います」と充実感をにじませると、再び大きな拍手が送られた。
ファンからの祝福に笑顔を見せたが「
ロッテの益田さんは700試合投げてたんで、僕なんてまだまだです」と答えた。
2023年シーズンに史上18人目となる700試合登板を達成したロッテの
益田直也を引き合いに出した。飽くなき向上心を持ち続けてきた左腕らしい言葉だった。
桐光学園高から14年ドラフト1位で楽天入団。節目となる10年目の今季は59試合に登板し2勝3敗8ホールド、39セーブ。2年連続でセーブ王を獲得したが、これまでの道のりは平たんではなかった。
ルーキーだった14年は主に先発で4勝。先発へのこだわりもあったが、2年目に当時の
大久保博元監督から中継ぎへの転向を打診された。
チーム事情もあって、2年目途中からは守護神として奮闘。23年4月5日の
西武戦(楽天モバイル)では、史上最年少となる27歳5カ月で、通算200セーブを達成した。
肉体を鍛え続け、シーズン中にもフォームに微調整を加えるなど、工夫をこらしてきた。地道な努力を積み重ね、不動の守護神へと成長した。
オフには、海外FA権を行使してのメジャー・リーグ挑戦を表明。日本での節目の記録にも満足することなく、新天地でさらなる飛躍を目指す。
写真=BBM