祖父江大輔がプロ10年で節目の500試合登板へ、残り37まで迫った。救援としてのキャリア463登板数はレジェンド・
岩瀬仁紀さんに次ぐ球団歴代2位。36歳で迎えたシーズンで新球フォークを取り入れる節目イヤーでもあった。
開幕からフル回転した。「前半戦はいいスタートを切れたんですけれど、そこからつまずきました。調子を上げられなかった」。6、7月に調子を落として二軍落ち。これが転機となった。
「勝野とか達也(
清水達也)達也、藤嶋とか、みんなに聞いてもどれも合わず。でも、ブルペンで後輩たちに相談し続けて、自分なりの握り方ができた感じです」。真っすぐとスライダーでやりくりしてきたベテラン右腕に第3の武器が加わった。
終わってみれば、シーズン45試合登板。ブルペン陣としては40試合登板がひとつの目安。満足はしていなくとも、一定の役割を果たしたといっていい。
「若い選手も中継ぎで出ていますので、引っ張っていけるようにというのと、自分自身がチームの勝ちに貢献できるようにどんな形でも頑張ります。毎年が勝負。特に来年ということはなく、これまでと同じく、また勝負の年がきます」
名古屋市出身で愛知高、愛知大、トヨタ自動車とずっと地元で鍛錬してきた右腕。チームには清水や勝野、松山ら150キロ台中盤の速球でガンガン押すパワーピッチャーがいる。
若さには対抗できない。経験でポジションをつかみ、気づいたら勝ちパターンへ。そんな未来を想像しながら11年目へと向かう。
写真=BBM