週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

広島・九里亜蓮 高い目標に向かってフル回転/区切りのシーズンを終えて

 

プロ10年目の節目のシーズンに、両リーグトップの投球回をマークした九里


 毎年のように唯一、明確に「目標」として掲げてきた数字は、勝利数でも防御率でもない。イニング数だ。プロ10年目だった今季、九里亜蓮は、最多勝を獲得した2021年以来、2年ぶり3度目の規定投球回到達。174回1/3は両リーグトップの数字だった。

 イニング数は、先発ローテーションを守った証しの一つ。10年目を迎えるにあたり、例年と同じ170イニングのノルマに「最低でも」という言葉を付け加えた。「気持ちの中では200イニング。目標を高くするからこそ、元の目標を超えるんだと思う」。その言葉どおり、自己最多を25イニングも大幅更新した。8勝8敗で2年ぶりの2ケタ勝利には届かなかったが、防御率も自己最高の2.53でシーズンを終えた。

 今季、チームは5年ぶりのAクラスとなる2位と躍進した。先発陣で唯一、一度の登録抹消もなくローテを守り抜いた右腕だったが、DeNAとのクライマックスシリーズ・ファーストステージで与えられた役割はブルペン待機。10月14日の第1戦(マツダ広島)で延長10回から1回2/3を無失点に抑え、劇的サヨナラ勝利を呼び込んだ。ファイナルステージの阪神戦(甲子園)にはリリーフ登板から中3日で第1戦に先発。5回4失点も、自他ともに認めるタフネスとしてフル回転の働きで最終盤の戦いを支えた。

 来季は33歳。「今年、目標としていたイニングを投げることはできた。それは良かったと思いますけど、まだ1年だけ。来年、再来年と続けていけるように」。現状に満足することなく、今季以上にマウンドに立ち続けるつもりだ。

写真=BBM
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング