二番手捕手に収まるつもりはない。岸田行倫は、レギュラーの座をかけて正捕手・
大城卓三に挑む。
「スタメンの数をもっと増やしたい。いきなり100試合とか言っても多分厳しいので、まずは50試合。少しずつ増やしていけたら」
正捕手の大城卓は今季ベストナインに選出されるなど壁は高いが、大城卓と同じ2018年入団の岸田も着実に成長の跡を見せている。
自己最多の46試合に出場した6年目の今季は、打率.250、2本塁打、3打点。シーズン中盤からは出番が増え、15試合でスタメンマスクをかぶった。「終盤は例年よりスタメンの機会も増えて自信がついた」と、実りあるシーズンとなった。
評価を急上昇させたのが、6月30日の
阪神戦(東京ドーム)での劇的アーチだった。1対1の延長10回に代打サヨナラ弾。打力も持ち味であることを印象づけた。
赤星優志の登板日などスタメンマスクの機会は徐々に増えていき、「大城さんと違った何かをできないかと、自分の中でいろいろ考えてできた。あまり周りを見られずに必死に戦っていた部分があったんですけど、少し出場が増えてきて余裕ができた」と、配球などリード面で“岸田色”を見せた。
阿部慎之助新監督は捕手について「理想は1人」としつつ、「相手を惑わすことを考えたら、捕手を代えるのも面白いかな」と併用制も視野に入れる。来季は岸田にとって大きなチャンスとなりそうだ。
写真=BBM