逆襲の切り札になり得る存在を手に入れた。12月に入り、出場機会を求めて巨人を自由契約になった中田翔の獲得に成功。

　立浪和義監督は「対戦相手として勝負強さを持っているし、広い札幌ドームでもやっている選手。本拠地のバンテリンは広いけど、そういうところも関係なくやってくれると思います」と期待を口にした。

「軸になる選手が出てこないと」。球団史上初となる2年連続最下位に沈んだチームにおいて、核となる選手の不在は痛手だった。

　2023年は現役ドラフトで加入した細川成也が24本塁打を放ち、石川昂弥も自身初の規定打席に到達するなど奮闘したが、得点は4年連続リーグワーストの390に止まった。打点が稼げる打者をいかに獲得するかというのが23年オフ最大の懸案だった。

　球団は中田のFA宣言に備えて調査を進めてきたが、オプトアウトを選択して巨人を自由契約になると、交渉解禁後に即アタック。立浪監督自ら出馬し、いかにチームに必要かを訴えた。

「若い選手も出始めているけど、若い選手だけでは今年のようになってしまう。経験がない選手もいる中で、軸ができると活性化するし、若い選手にも良い影響になる」。思いは実り、中田は翌日、球団に入団する意思を正式に伝えた。

　中日ファンが待ち望んだミスタードラゴンズの監督就任だったが、この2シーズンは屈辱にまみれた。「負けるといろいろなことを言われるし、つらい1年になった。このまま終わるわけにはいきません。必ずやり返します」。背水の3年目に向かう。

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