背水の覚悟で決意を示した。2000年生まれの山口航輝に、自分は若手だという意識はない。
「もう失敗できない、後がないという思い。飛び抜けた成績を一つでも出さないといけない年」
年男の一年は、結果を求めるシーズンとなる。
昨年は115試合出場で打率.235、14本塁打、57打点。ここまで起用の多かったDHではなく、一塁や外野を守るなど守備機会も増えて高卒5年目で自身初の規定打席に到達。シーズンを通して試合に出続けたが、開幕直後から思うような結果は出なかった。
「打席の中で冷静になれていない」と悩む日々が続き、期待された長打も4月25日、
西武戦(ZOZOマリン)の80打席目でやっとの1号。目標に掲げた30本塁打には届かず、22年の16本を下回る14本。シーズン中に目標達成は現実的ではないと認識したといい、「やってきたことを貫けなかった。ふがいない成績」と反省する。
殻を破るために、日本代表の強打者に師事する。オフは
村田修一打撃コーチの後押しもあり、
岡本和真(
巨人)のもとで自主トレを行う。昨年まで3度の本塁打王に輝いた岡本和について、「自分はミスをして捉え切れないことが多い。仕留める能力が一流」。同じ右のスラッガーは、目標となる選手像だ。
ソトや
愛斗の加入もあり、内外野ともに競争は激しい。
「まずアピールして、1年間一軍でプレーする。本塁打は20本から30本の間を打てるように、打点も80(打点)以上は取りたい」
目標は明確。有言実行のため、まい進する。
写真=高塩隆