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ロッテ・西野勇士 頼れる先輩はまだまだ貪欲に/生え抜きの輝き

 


 育成選手として2009年にキャリアをスタートし、今季で16年目。ベテランの域に入るが、西野勇士はまだまだ貪欲だ。

「衰えている感覚はない。より一層良い結果を出す」と高らかに宣言する。

 20年6月のトミー・ジョン手術後、先発に戻った昨シーズン。初登板で吉井監督に初白星をプレゼントすると、4年ぶりの完投勝利もマーク。1年間安定した投球を続けて8勝5敗、防御率2.69。

「打者に対する感覚が今までよりも良かった。かつシュートを覚えたことで、投球の幅が広がった」

 また一つ成長を実感する1年となった。

 若手が多い先発陣の中で、後輩へのアドバイスは惜しまない。

「僕自身いろんな経験をしてきた。早く気付いたほうがいいことがあるので、経験したことの中から伝えようと思う」と理由を明かす。

 勝てばクライマックスシリーズ(CS)進出が決まった10月7日のオリックス戦(ZOZOマリン)。7回2失点(自責点1)も報われず、チームの命運はシーズン最終戦に委ねられた。先発を託された小島へ、「精いっぱい頑張ったけど、無理だったわ。頼むわ」と一言。

 弱気なことは言わず、普段どおりに背中を押した。

 結果的に小島の好投でチームはCS進出を決めると、「頼れる投手になった」と喜んだ。

 23年は手術明けを考慮されたが、今季は中6日でローテーションを回る覚悟だ。

「2010年は日本シリーズで優勝したけど、当時は育成で蚊帳の外くらい。チームの輪の中で優勝を感じてみたい」

 歓喜の瞬間を迎えるため、やるべきことをこなす。

写真=桜井ひとし
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