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中日・福敬登 難病を乗り越えて/今年こそフル回転

 


 もはやマウンドに上がることが目的ではない。昨年、国指定の難病「黄色靱帯骨化症」の手術から復帰した中日の福敬登投手は今季のフル稼働を心に誓う。

「昨年と同じ轍を踏まないうように。1年間プレーできるように今は準備を進めています。最低でも40試合は投げないとアカンですね」

 一昨年10月に手術を受けた左腕は、昨年5月5日の巨人戦(バンテリン)で一軍マウンドへ復帰。しかし、気温が急激に上がり始めた6月に左脚のしびれが強くなり、二軍落ちとなった。

 9月に一軍復帰したものの、昨季の登板数は29試合にとどまった。投げられたことは大きな一歩だが、そこに止まるつもりはない。

 だからこそオフも日々、天気や気温、湿度をチェック。気候条件によって体にどんな影響が出るかデータを採取するとともに、トレーニングコーチとも連係し、どの練習をしたときにどんな症状が出やすいかについても把握できるようにしてきた。症例が少ないからこそ、手探りで完全復活への道を切り開く。

 1月19日は交流を続けている愛知県立名古屋聾学校(名古屋市)を訪問し、中日戦へのバンテリンドーム招待プロジェクトの継続と一軍でのシーズン完走を改めて誓った。

「(昨年も)試合前に交流したことでポジティブに試合に入っていけた。その試合に投げるためにも、まずは一軍にいないと」

 兵庫・神戸西高時代に手話を学んだ経験があることをきっかけに交流が始まった。雄姿を見せることが大きなモチベーションになっている。

写真=BBM
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