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東都で専大がV、専大OBの黒田博樹が広島復帰
今年の前半は“専修の季節”だったが、専大出身で高校、大学、プロで大活躍の投手とは?

 


文=大内隆雄、写真=BBM

 東都大学春のリーグ戦で専大が26年ぶりのV。メジャーから広島に復帰して話題を集めた黒田博樹投手は専大OB。今年の前半は、さながら“専修の季節”。

 専大出の投手で、プロで最も勝ち星を挙げた投手は、黒田ではない(黒田は2007年まで103勝89敗。今季は6月21日現在で6勝)。それは坂井勝二(大毎、大洋ほか)で166勝(186敗)。その次が梶岡忠義(阪神)で131勝(85敗)。52年には防御率1位(1.71)。3番目は山沖之彦(阪急、オリックス)で112勝(101敗)。87年に最多勝(19)。84年に最優秀救援投手。

 専大時代の成績は、戦前の6連覇(39年春〜41年秋。ただし、39年秋は専大、中大、日大3校が1位)の大主役だった梶岡がダントツ。山沖も1年春(78年)に4勝してVに貢献。4年秋(81年)は、優勝を決めた東洋大2回戦に4対0の完封勝利。MVP、最優秀投手、ベストナインの“三冠”。坂井は59年春MVPになるとそのままプロ入り。黒田は二部で投げることが多かった。

 さて、球歴を高校(中等)野球時代までさかのぼると、これは山沖の“圧勝”。77年のセンバツの準優勝投手。わずか選手12人の高知・中村高のエースとしてチームを引っ張った。決勝では、箕島高に0対3で敗れたが、中村高は“二十四の瞳”の快進撃と大人気となった。

 プロに戻るが、山沖は、坂井にも、梶岡にも、黒田にもできなかったことをやっている。それは日本シリーズ出場だ(84年、対広島)。しかも、そこで勝利とセーブを挙げている。第2戦、第6戦に勝ち投手。第5戦にセーブ。防御率は0.84の素晴らしさだった。このシリーズ、阪急は3勝4敗で敗れたが、勝った3勝にはすべて山沖がからんでいる。山沖は、小社から敢闘賞が贈られたが、副賞は米西海岸往復ペアチケット。山沖のうれしそうな顔を覚えている。写真は専大時代(81年)。
おんりい・いえすたでい

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