週刊ベースボールONLINE


今年はスター選手が大量引退の珍しい年。彼らで最強スタメンが作れるほど。昔は、長いブランクのあと復帰して大活躍の選手も

 

文=平野重治



 今年ほどかつてのスター選手が大量に現役引退する年も珍しい。あんまり多いので、たわむれに「この人たちでスタメンを組んでみよう」とメンバー表を作ってみた。

 投手は、もう山本昌(中日)で決まりだが、西口文也(西武)も川上憲伸(中日)も高橋尚成(DeNA)もいる。クローザーは木佐貫洋(日本ハム)か小山伸一郎(楽天)だ。

 捕手はちょっと難しいかなと小笠原道大和田一浩(ともに中日)のコンバートを考えたが、うまい具合に(?)、9月28日、中嶋聡(日本ハム)が引退することが分かった。

 内野手は多士済々。中畑清(DeNA)が一塁。二塁は外野もやれる平野恵一(オリックス)。三塁はもちろん先の小笠原。遊撃は阪神監督を退任の和田豊に任せよう。彼は阪神入団から7年は、ほとんどショートを守っている。外野は先の和田、谷佳知(オリックス)、森本稀哲(西武)で決まり。ユーティリティーの関本賢太郎(阪神)が控え。DHは、楽天監督を退任の大久保博元がドンピシャリ。

 そんな中で、平野が36歳とはいえ、引退するのはちょっと惜しい。内外野を守れるのだから、アメリカの独立リーグでやって2年後にNPB復帰なんてのも面白いのでは。

 大昔は、こういうブランクをものともしない、“とんでもプレーヤー”がいたものだ。“神主打法”の岩本義行は、40〜42年南海でプレーしたあと、戦争を挟んで49年に大陽で復帰。50年には松竹で39本塁打、127打点。この年38歳。翌年も31本塁打。53年に引退するが、56年、再び東映で監督兼任で復帰、5本塁打している。44歳だった。翌57年までプレー。投手でも54〜55年東映在籍(一軍出場なし)の小川健太郎は、社会人で8年もやったあと、64年に中日で復帰。この年30歳。ここから、70年に、いわゆる“黒い霧”で追放されるまで95勝。67年には29勝で最多勝。写真は、57年、45歳の岩本。
おんりい・いえすたでい

おんりい・いえすたでい

過去の写真から野球の歴史を振り返る読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング