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20年東京五輪の野球メーン球場は横浜球場だが、本塁打がポコポコ出そう。ここでとてつもなく高い、高い一発を放ったD.キングマン

 

文=平野重治


 リオ五輪が終わり、さあ次は東京五輪──。野球界は東京五輪で野球が正式種目として復活したことで、特に力こぶを入れる。

 ま、それはいいのだが、参加チームはわずかに6。半分の国・地域がメダルを獲れるのだ(どこかの国のクライマックスなんとかを思い出してしまった)。それと、メーン球場が横浜球場なのもちょっと気になる。DeNAファン、筒香ファンは怒らないで聞いてほしいのだが、両翼94メートル、中堅118メートルというのは、いかにも狭い。ポコポコ本塁打が出ては、日本が得意のスモール・ベースボールの出番がなくなってしまう。外野スタンドもそれほど奥行きがないから、ここは場外ホームランも出やすい。タイロン・ウッズ(03年〜04年横浜在籍)が面白いように場外弾をたたき出していたのは、記憶に新しい。90年のオールスター第1戦は横浜球場で行われたが、ホームラン競争で近鉄のブライアントが場外弾を連発したのにはたまげてしまった。

 場外弾ではないが、横浜で最も空高く舞い上がってスタンドに落ちたホームランを筆者は見ている。それは、79年のア、ナ両リーグのオールスターチームによるオールスターゲーム第1戦で打ったこの年のナ・リーグ本塁打王、デーブ・キングマン(カブス)の打った一発だ。ナ・リーグ6回表の二死一塁で代打で登場したキングマンは、高々と舞い上がる飛球を放った。一体どこまで上がるのか。いまのドーム球場なら、どこでも天井直撃だろう。ようやく落ちてきたと思ったら打球は左翼席中段に。遠くに飛ばすホームランもいいが、どこまでも高く上がるホームランもまたいいものだなあ、と感じ入った。東急の大下弘のホームランは、多分、あんな軌道だったのだろう。

 それにしても、この両オールスターチーム、恐ろしいほどの豪華版。キングマンのほかにもP.ローズ(フィリーズ)、R.カルー(エンゼルス)、L.ブロック(カージナルス)、D.パーカー(パイレーツ)、S.ガービー(ドジャース)、O.スミス(パドレス)、P.ニークロ(ブレーブス)……。よくぞ招きに応じてくれたものだ。写真は歓迎レセプションでのキングマン、ガービー、ローズ(左から)。
おんりい・いえすたでい

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