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【高校 High school】

第95回全国高校野球選手権記念大会

浦和学院、大阪桐蔭が連覇に挑む
初出場は昨年から5校増の10校


全国49代表が出そろい夏の甲子園が幕開け

 8月8日に兵庫県・阪神甲子園球場で幕を開ける第95回全国高校野球選手権記念大会。7月31日に、宮城、愛知でそれぞれ地方大会の決勝が行われ、全49代表が出そろった。

 今大会の初出場校は昨夏の5校の倍の10校。北北海道・帯広大谷、青森・弘前学院聖愛、長野・上田西、富山・富山第一、兵庫・西脇工、奈良・桜井、佐賀・有田工と、そのうち7校が春夏通じて初の甲子園出場を勝ち取っている。

 最多出場は宮城・仙台育英の24回で、福井・福井商の22回、熊本・熊本工の20回がこれに続く。春夏連続出場は今春のセンバツを制した埼玉・浦和学院、同じく準Vの愛媛・済美など11校。昨夏の選手権を制した大阪・大阪桐蔭など、夏の連続出場は14校で、福島・聖光学院は最多の7年連続出場を果たした。

 また、和歌山・箕島が29年ぶり、山口・岩国商は27年ぶりと、それぞれ久々に聖地の夏舞台を踏む。

 今春のセンバツでは3回戦で岐阜・県岐阜商に敗れた大阪桐蔭だが、夏連覇への挑戦権を獲得した。前年の春夏連覇校が春夏連続出場するのは史上初。主将・森友哉を中心とした打線は高校屈指の破壊力を誇る。センバツには右手首の骨折で出場できなかった四番・近田拓也も復活。夏の大阪大会でも徐々に調子を上げ、履正社との決勝で先制打を含む2打点を挙げたスラッガーは、自身1年ぶりとなる大舞台に腕をぶしている。

▲夏連覇を目指す大阪桐蔭。四番に座る近田はケガで出場できなかった今春のセンバツのリベンジに燃える[写真=榎本郁也]



 昨年の大阪桐蔭に続く史上8校目の春夏連覇を狙う浦和学院は、2年生エース・小島和哉が好調を維持している。埼玉大会準々決勝(対埼玉平成)で完全試合を達成し、川越東との決勝でも9回9安打1失点と快投。打線も18安打16得点を奪う猛攻で4季連続出場を決め、公式戦はセンバツから21連勝中だ。

 小島と同じ2年生でエースを担う剛腕も甲子園へ帰ってくる。今春のセンバツで済美を準優勝へ導いた右腕・安樂智大。センバツ後は、右腕のケガでスロー調整を続けていたが、愛媛大会で自己最速を5キロ更新する157キロをマークした。

 今夏の甲子園では記録更新に期待がかかるが、「スピードボールを追い求めたい。甲子園という素晴らしい舞台で158キロという自己最速を出せるように調整したい」と意欲満々。これまでの甲子園最速は2001年夏に日南学園・寺原隼人(ソフトバンク)が記録した158キロ。2年生にして、最速記録に並ぶことができるか、注目が集まる。

 注目の左腕・松井裕樹擁する桐光学園を神奈川大会準々決勝で下した神奈川・横浜は、2年ぶり15度目の出場だ。2年生スラッガー・高濱祐仁らを軸とした若いチームだが、堅守を武器に15年ぶりの頂点を目指す。

▲準々決勝で桐光学園を下した横浜は、2年ぶり15度目となる夏の甲子園[写真=菅原淳]



 千葉では15年ぶりとなる連続出場となった木更津総合は、昨夏の甲子園も経験した2年生・千葉貴央がエースだ。準決勝(対専大松戸)、決勝(習志野)と2日で320球を投げたタフネス右腕が甲子園でも躍動を誓う。

▲千葉大会では15年ぶりとなる連覇を果たし、甲子園出場を決めた木更津総合[写真=川口洋邦]



 初出場の桜井は天理、智弁学園、郡山の「奈良3強」以外では、44年ぶりの出場となる県立校。弘前学院聖愛は八戸学院光星(前光星学院)、青森山田と甲子園常連校を下し創部12年目で甲子園キップをつかんだ。有田工は、最速146キロ右腕・古川侑利が全5試合を一人で投げ抜いた。創立138年目の伝統校、滋賀・彦根東も待望の夏初出場だ。

 また、今大会から準々決勝翌日に休養日が導入され、3連戦を廃止。大会方式も変更された。深紅の大旗を巡る熱い戦いの行方は果たして。
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