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スポニチ大会注目選手クローズアップ
全国の舞台で発揮するあきらめない「石巻力」

被災地で闘う左の大砲・伊東亮大[日本製紙石巻]

 3月に行われた社会人野球「第69回JABA東京スポニチ大会」で、打撃を開花させた選手がいる。準優勝した日本製紙石巻の五番打者・伊東亮大選手だ。

 東日本大震災から3年が経った3月11日。都市対抗2連覇中のJX-ENEOS戦。初回に大田スタジアムのライトスタンドに大きな一発を放つなど3安打4打点をマークした。チームは6対0で勝利を挙げ「相手も同じ社会人。名前負けしないように、意識しないでできた」。本拠地の宮城県石巻市では今もなお苦しんでいる人がいる。試合前には黙とうを捧げ、特別な日に強豪チームを破った。

「犠牲になった人に“天国でも楽しんでください”という思いを込めた。ちょっとでも勇気づけられたとしたら良かった。自分たちは野球をやらせてもらっているので、生きる希望を与えていかないといけない」と、神妙な表情で振り返った。

 桐光学園高から武蔵大を経て、今季で3年目。2年前に初めて石巻市を訪れた際には、町には何もなかったという。「周りの方には“この辺りは栄えていたんだよ”と聞いたけど、ショックだった。心が痛かった」と回想する。

 そんな状況の中、地域の住民には野球で恩返しをすることを誓った。オープン戦には地元の野球少年たちが観戦に訪れ、声援を送ってくれた。支えてもらっている人へ感謝の思いを強くした。昨年の都市対抗では初の8強入り。4番打者として10打数4安打3打点の成績を残し、優秀選手に選出された。石巻に戻って出社すると「よく頑張ったね」と声をかけてもらった。シーズン終盤まで安定した打撃を見せ、DH部門で初の社会人ベストナインも獲得した。

 今年のチームスローガンは・・・

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