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攻守でWASEDAを牽引する第106代主将・石井一成

 

あと1勝で逃したグランドスラムに再挑戦


 お祝いの席とはいえ、どこか緊張感が張り詰めている。約400人が詰め掛けた出席者の前で新主将・石井一成(3年・作新学院高)は壇上に立ち、2016年シーズンへ向けた抱負を力強く語った。あと一歩で逃した東京六大学史上初のグランドスラム(春・秋のリーグ戦、大学選手権、明治神宮大会)への再挑戦である。並々ならぬ決意に、パーティー会場内にようやく祝賀ムードが戻った。約3時間、新リーダーは会場内の隅から隅まであいさつ回りに動いた。

「応援していただけるのは本当、幸せなことです。自分たちが恩返しするには、優勝するしかありません」

15年12月19日、東京都内のホテルで行われた優勝祝賀会で早大の新主将・石井は16年の年間タイトル4冠へのチャレンジを固く誓った



 15年1月、鳴門工高(現鳴門渦潮高、徳島)で甲子園8回出場(02年春は準優勝)へ導いた高橋広監督が就任。1季目で春のリーグ戦を制すると、大学選手権も3年ぶりの優勝。秋は一度は絶望的な状況に追い込まれながらも、最短距離にいた明大が「優勝マジック1」からの法大戦連敗により、最終週の早慶戦で連勝して春秋連覇。優勝回数(45)で法大を抜いて単独トップに立った。神宮大会は亜大との決勝で延長14回の激闘の末に惜敗(1対2)。高橋監督は「トータルとしては申し分のない1年だったが、最後の最後、負けた悔しさが残った1年だった。この悔しさを雪辱したい」と言い、その思いを先輩から継ぐのが、第106代主将・石井がけん引する新4年生たちだ。

「旧4年生が抜けて、自分らの代は『弱い』と言われている。前評判を覆していきたいと思っています」

 旧チームもV候補ではなかったが、安部球場(15年11月30日に東伏見球場から改称)における、日々の地道な取り組みで頂点へ上り詰めた。3年春から遊撃手に定着した石井は、先輩の姿を最も近くで見てきた。

 作新学院高時代に続く主将の大役だ。

「やはり、重みが違います。前主将の河原さん(右京、トヨタ自動車入社予定)からは『気負わず頑張れ!』と言われました。自分も・・・

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