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東京都春季大会

 

早実四番・清宮幸太郎、公式戦21戦連続安打も2回戦敗退


「四番・中堅」と新たなポジションで挑んだ2年春は都大会2回戦敗退。3月8日の練習試合解禁以降、毎日のアーチも計7日、12戦14発で止まっている/写真=大賀章好


 ジンクスは生きていたのかもしれない。都立昭和高と聞き、早実にとっての“鬼門”と直感した関係者・ファンはいたはずだ。斎藤佑樹(現日本ハム)を擁して全国制覇を遂げた2006年夏、西東京大会初戦(2回戦)で一度はリードを許しながら、辛くも3対2で逃げ切った相手である。さらに、11年夏も4回戦で2対1と苦戦を強いられていた。恐らく、早実・和泉実監督の脳裏の片隅にもあっただろうが、グラウンドでプレーする選手は、その過去を知る由もない。だが、名門にとって“因縁の相手”に金星を献上してしまった。序盤2回で2対0と優勢に試合を進めながら、5回に1点差とされると、6回にはソロアーチで同点。さらに8回裏にはグランドスラムを浴びて勝ち越しを許す。早実は最終回、4点ビハインドを逆転する力はなかった。

 1年時に22本塁打を放った怪物スラッガー・清宮幸太郎(2年)は、2安打1打点と、入学から公式戦21戦連続安打も、勝利へ導くことはできなかった。3月8日の練習試合解禁以降、計7日、12試合で毎日の14本塁打と量産態勢に入っていたが、この日は一発が出なかった。

 都立町田高との1回戦では昨秋までの三番から四番に代わり、ポジションも一塁から中堅に変わった。攻撃的な布陣を優先した、チーム事情によるコンバート。和泉監督は「足が速く、肩も強い。ポジショニングを含めて周りへのアドバイスができる」と潜在能力を含めて評価。ただ、本人はまだ慣れないようで、緊張感のある公式戦でもう少し、場数を踏んでおきたかったところではある。

 春の都大会2回戦敗退の早実は、夏の西東京大会はノーシード。2年連続の甲子園切符をつかむには最大8試合。シード校なら6試合だったわけだから、試練の夏が待ち受ける。
アマチュア野球情報最前線

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