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東都大学リーグ

最速151キロの衝撃。初マウンド小又圭甫(国学院大)の潜在能力

 

4年生にして神宮デビューとなった専大3回戦で3回無失点の好投を見せると、日大2回戦[写真]でも3回1失点でまとめ、ゲームメーク能力の高さを見せている/写真=矢野寿明


故障を乗り越えチャンスつかんだ苦労人


 3年間の思いが、1球1球にこもっていた。国学院大の4年生右腕・小又圭甫が4月14日、専大3回戦でリーグ戦初登板・初先発を果たした。

 その初球。いきなり自己最速を更新する150キロの直球を投げ込むと、神宮球場にどよめきが起こった。二死後には151キロを計測。3回を投げ、4安打4四球5三振。無失点で2番手の吉村貢司郎(2年・日大豊山高)につなぎ、勝利に貢献した。

「マウンドに上がったとき、神宮は広いなと思いました。そのあとは緊張と興奮で頭が真っ白でした」。小又は少し照れながら振り返った。初球の150キロも、その後の151キロも、試合が終わって合宿所に戻ってから仲間に聞いて知ったという。「試合中は全然、分かっていなかった」と苦笑いした。

 千葉英和高時代には左手首の骨折や背筋痛を乗り越え、最速147キロ右腕としてプロ注目の存在となった。

 国学院大へ進んでからもケガとの戦いは続く。1年時に右の第一肋骨を骨折し、手術をした。その復帰の過程で焦りから右ヒジを痛め、2年5月に右ヒジ内側側副じん帯を再建する「トミー・ジョン手術」を受けた。「もし野球ができなくなったら、どうしようという不安もあった」と明かす。

 投げられない時期はドリンクの準備や道具運びなどのほか、1年秋から3年春の4シーズンはデータ班の一員としてチームを支えた。

「何かチームに貢献できることをしよう、と。ただのケガ人で終わりたくなかった」

 1年春、3学年上の田中大輝(現巨人育成)がケガを乗り越え、4年生になってリーグ戦で活躍した姿を見ていた。それが励みなった。地道なリハビリを経て、昨年4月にキャッチボールを再開。「最初は投げ方も分からなかったけど・・・

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