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第104回全国高等学校野球選手権大会

東北勢初優勝に沸いた地元凱旋 2001年センバツ準V左腕が明かす仙台育英・須江航監督の素顔

 

下関国際高[山口]との決勝翌日の8月23日。仙台市内の同校では「報告会」が開催。この日、初めて「白河の関」を越えた深紅の大優勝旗がお披露目された[写真=矢野寿明]


深紅の大優勝旗「白河の関越え」


 東北勢初優勝の歓喜から一夜明けた8月23日、仙台育英高ナインが凱旋した。新大阪から新幹線を乗り継ぎ、歴史を動かした英雄たちと真紅の優勝旗は、みちのくの玄関口である「白河の関」を越えた。14時51分にJR仙台駅に到着。居合わせた大勢の市民、利用客らに出迎えられた。

 そして、かつては宮城のアマチュア野球の聖地で、現在はプロ野球・楽天の本拠地である楽天生命パーク宮城の目と鼻の先にある、同校の宮城野校舎で優勝報告会が開かれた。大会歌『栄冠は君に輝く』が流れ、生徒会の生徒やチアリーダー部の生徒らが手拍子する中、須江航監督を先頭に優勝旗を手にした佐藤悠斗主将ら選手たちが首に金メダルをかけて入場。マイクの前に立った佐藤主将が優勝報告とお礼を述べた。

「自分たち硬式野球部は第104回夏の甲子園大会で東北勢初の優勝を果たすことができました。いろいろな困難を乗り越えてここまで来ることができたのも、ここにいる皆さまのおかげでもあり、自分たちの努力もあり、すべての人たちにご協力をいただいての今回の優勝だと思っています。自分たちにとって、ここにいるすべての皆さまにとって、東北のすべての皆さまにとって、この夏のいい思い出になったこと、すごくうれしく思います。本当にありがとうございました」

 続いて、須江監督。

「今、キャプテンからちょっと堅苦しい挨拶があったので、普通に皆と話してみようと思います」と場を和ませ、「応援の皆さん、どうでしたか、甲子園は。暑かったですか? 初戦に出発したときに、まさかこんなに長くいると思っていましたか?」と語りかけた。

「自分たちは優勝するぞ、と目標を立てて信じていましたけど、たぶん、最後までいると具体的にイメージを描いていた人はあまりいないんじゃないかなと正直、思います。そういう中、一戦必勝だぞ、と思わせてくれたのは皆さんのおかげです。吹奏楽の音が聞こえているときは、監督もスクイズのサインをミスしませんでした。球場の雰囲気ってあるんです。仙台育英の雰囲気だなと思っているときは、何をやってもうまくいく。その雰囲気を作っているのはチアリーダーの華やかさや控え選手のメガホンをたたく音、祈る思い、そういうのが一戦ごとに大きくなっていった。みんなで喜びを分かち合いたいなと思っています」

 そう感謝した須江監督。最後には・・・

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