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東京六大学秋季リーグ戦

慶大、4季ぶり40度目のV 主将・廣瀬隆太、歴代4位タイ通算20号で決着

 

東京六大学秋季リーグ戦は第8週、早慶戦の直接対決での優勝争いとなった。条件は2勝先勝の勝ち点。雌雄を決する1勝1敗の3回戦で慶大が勝利し、春秋連覇を遂げた2021秋以来、40度目のリーグ優勝を飾った。試合を決めたのは、ソフトバンク3位指名を受けた右の長距離砲だった。
取材・文=岡本朋祐 写真=矢野寿明

慶大の主将・廣瀬は部員の手によって胴上げ。1年間の苦労が報われた


 部員211人の大所帯をけん引する背番号10を着けている限り、前を見続けるしかない。慶大の主将・廣瀬隆太(4年・慶應義塾高)はこの1年間、じっと耐えてきた。今春は自己最多5本塁打で、リーグ歴代7位タイの18号とするも打率.192。これもスラッガーの宿命だ。対戦5校のバッテリーは当然、まともに勝負してこない。

 歴代1位は慶大の先輩・高橋由伸(元巨人)の23本塁打。廣瀬は「結果として、届けば良いですが……。そこまでは意識していないです」と、チームの勝利を最優先としていた。

 今秋は明大の85年ぶりのリーグ4連覇がかかっていた。明大は第7週の法大2回戦を落とし、優勝の可能性が消滅。慶大は8勝2敗1分、勝ち点4に対して、早大は7勝2敗、勝ち点3。勝ち点(2勝先勝)を取ったほうが天皇杯奪還という星勘定だった。1回戦は1点を追う慶大が9回表に2対1と逆転。その裏、早大は1四球を挟んで4安打を集中し、代打・小澤周平(2年・健大高崎高)のサヨナラ打(3対2)で2020年秋以来の優勝に王手をかけた。2回戦は慶大が初回に四番・栗林泰三(4年・桐蔭学園高)の適時打で先制し、五番・宮崎恭輔(4年・国学院久我山高)のタイムリーで2点目を挙げ、主導権を握る。先発の1年生右腕・竹内丈(桐蔭学園高)は6回3安打無失点、7回から3イニングは右腕・谷村然(4年・桐光学園高)が締めた(4対0)。1回戦では9回裏から3番手で救援も、一死も奪えずサヨナラ負け。気迫の投球で前日の屈辱を果たし、21年秋以来の優勝へ逆王手をかけた。

一発で仕留めた集中力


 廣瀬は開幕2週間前に右手首を痛め、大学日本代表として出場予定だった高校日本代表との壮行試合(8月28日、東京ドーム)を欠場した。

「問題ないです」と、開幕から先発に名を連ねたが・・・

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