週刊ベースボールONLINE

2024新監督

峯岡格監督(大阪ガス)が描く「勝利の方程式」 細部までこだわる野球を展開

 

大阪ガスのコーチを退任して以降、社業に専念し、14年ぶりの現場復帰。名門を渡り歩いてきた目は肥えている[写真=福地和男]


 昨年11月の社会人野球日本選手権で2大会ぶり3度目の優勝を果たした大阪ガス。日本一のチームを今季から引き継いだのが、峯岡格監督(早大)だ。コーチとして在籍していた2010年以来、14年ぶりとなる現場復帰。現在のチーム状況については

「日本選手権で優勝したというよりも、昨年は都市対抗の本大会出場を逃したという気持ちのほうが強いんです。だから、選手たちもプレッシャーを感じるほどの余裕はなくて、目の前の課題をつぶしていってくれています」と評している。

 課題として、この冬は攻守のそれぞれにテーマを与えた。「バッティングでは一球でとらえることを目指し、練習からファウルを減らすことを求めてきました。また、投手にはストライクゾーンにしっかりと投げることを目標にして励んでもらい、バックもしっかりと鍛えてきました」(峯岡監督)。主将・高橋佑八(関大)は「打撃練習では量より質にこだわってきました。集中して良いスイングを心掛け、一球への準備と意識付けをすることで、チャンスで一本打てるようにしています」と振り返る。

 守りにおいては「ゴロ捕りの基本から鍛え直し、バッテリーも含めてノックを多く受けてきました。自主練習で守備をする選手も増えたと思います」とのこと。「試合が終わったときに1点でも多く得点を取っていれば勝ち」という指揮官の言葉に従い、オープン戦では「勝ちにこだわって、最後まであきらめずに戦いました」(高橋主将)と充実したオフシーズンを過ごしてきた。

状況に応じたプレー


 3月のJABA東京スポニチ大会では日立製作所との予選リーグで初めて公式戦の指揮を執った峯岡監督。先発に日本選手権MVPの稲垣豪人(東農大)を起用して臨んだが1対4で敗戦。「緊張はしなかったのですが、それがよくなかったのかもしれません」と苦笑いを見せたが「稲垣をはじめ、投手陣は自分のピッチングをしてくれました」と手応えを得た。

 その言葉を裏付けるように、続く2戦目は大宮隆寛(東洋大)が8回無失点の好投でJR東日本東北を1対0で下して初勝利。3戦目はホンダに1対4で延長10回タイブレークの末に敗れて決勝トーナメント進出はならなかったが、先発のルーキー・本間悠貴(天理大)が7回途中まで無失点と投手陣は踏ん張った。

 今季は都市対抗の優勝と日本選手権の連覇という大きな目標を掲げる高橋主将は「力はある。投手陣は新人が入って競争が生まれていますし、野手は昨年と同じ顔ぶれなので個々にレベルを上げて底上げしていきたい」と話す。攻撃面では得点力アップのため「チーム全員が『このシチュエーションではこういうプレー』と同じイメージができるように練習を積み重ねてきました」と峯岡監督。成果を感じた場面として日立製作所戦の3点追う最終回の場面を挙げ「四球を2つ選んで、つないでくれました。打つだけがすべてではありませんから、ランナーに出ることを意識してくれたのは良かった点です」と振り返る。

 充実戦力で勝利の方程式を実現。天理高、早大、大阪ガスを通じ好守の内野手として活躍した新指揮官。細部まで目の行き届いた野球を展開する。(取材・文=大平明)
アマチュア野球情報最前線

アマチュア野球情報最前線

アマチュア野球取材班、ベースボールライターによる、高校・大学・社会人野球の読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング