投手が投げようとした瞬間に、打者が勝手に打席を外して間合いを取りました。投球は完全にストライクなのですが、この投球に対し球審はストライクを宣告しても構わないのでしょうか。 ストライクを宣告して構いません。規則5.04には、打者の心構えが述べられています。その(2)には
「打者は、投手がセットポジションをとるか、またはワインドアップを始めた場合には、バッターボックスの外に出たり、打撃姿勢をやめることは許されない」 とあり、ペナルティとして
「打者が本項に違反した際、投手が投球すれば、球審はその投球によってボールまたはストライクを宣告する」 とあります。
同規則の[原注]には
「打者は、思うままにバッターボックスを出入りする自由は与えられていないから、打者が“タイム”を要求しないで、バッターボックスを外したときに、ストライクゾーンに投球されれば、ストライクを宣告されてもやむを得ない。打者が打撃姿勢をとった後、ロジンバックやパインタールバックを使用するために、打者席から外に出ることは許されない。ただし、試合の進行が遅滞しているとか、天候上やむを得ないと球審が認めたときを除く」 とあります。
さらに最近の規則書には、これはメジャー・リーグだけで適用される[原注]の追加事項であるとして、次のような一条が載せられています。
「打者が打者席に入ったのに、投手が正当な理由もなくぐずぐずしていると球審が判断したときには、打者が僅かの間打者席を離れることを許してもよい(以下略)」 ただ、最近は打者が勝手に打席を外し、球審があわててタイムを宣告するケースが目立ちます。試合を混乱させまいとするためでしょうが、球審のとるべき処置として決して正しいものではありません。