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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

5回裏のホームチーム攻撃中に降雨コールドが宣告された場合、5回表裏終了でなくても試合成立(正式試合)となる?

 

10月18日、セ・リーグのクライマックスシリーズのファイナルステージ第1戦(広島DeNA=マツダ広島)は、5回の広島の攻撃終了後降雨コールドゲームが宣告され、3対0で広島が勝利となりました。仮に中断のあった5回裏途中にコールドゲームとなった場合はどうなりますか?

 まず、正式試合は通常、9イニングからなりますが、野球規則7.01(a)(2)に「球審がコールドゲームを宣告した場合」として例外が認められています。5回表裏が終了しない限り、正式試合と認められないと勘違いしている方は多いようですが、“コールドゲーム”についても下記のように野球規則では定められています。

 7.01(c)「球審によって打ち切りを命じられた試合(コールドゲーム)が次に該当する場合、正式試合となる。

(1)5回の表裏を完了した後に、打ち切りを命じられた試合(両チームの得点の数には関係がない)。

(2)5回表を終わった際、または5回裏の途中で打ち切りを命じられた試合で、ホームチームの得点がビジティングチームの得点より多いとき。

(3)5回裏の攻撃中にホームチームが得点して、ビジティングチームの得点と等しくなっているときに打ち切りを命じられた試合」

 10月18日のCSファイナルステージ第1戦は、5回表のDeNAの攻撃が終了した時点では両軍無得点でしたが、この裏の攻撃で広島が3点を奪い、この攻撃中に雨足が強くなって一時中断。その後、5回裏終了後に審判団の判断でコールドゲームが成立しました。したがってこのケースでは7.01(c)(1)に該当するわけです。

 5回裏の攻撃途中でも、広島側に点が入った後のコールドゲームであれば、(2)が適用されて試合は成立します。DeNAは5度の攻撃機会を与えられていて完了していたわけですし、不平等はありません。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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