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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

18点リードの場面で登板した投手に、「セーブ」が記録された。大量リードでなぜ?そもそもセーブが記録される条件とは?

 

2018年4月25日に行われた巨人中日(前橋)で、巨人が18点リードの場面で登板した中川皓太選手(3番手)に「セーブ」が記録されました。大量リードの登板でなぜセーブが記録されるのですか? そもそも、セーブが記録される条件とは?

 中川皓太選手は20対2でリードしていた7回表の先頭打者からマウンドに上がりました。9回表に2点を失いましたが、試合終了まで3イニングを投げたため、セーブが記録されました。

 まずは、救援投手のセーブの決定について記された野球規則9.19を紹介しましょう。

「(前略)次の4項目のすべてを満たした投手には、セーブの記録を与える。(a)自チームが勝を得た試合の最後を投げ切った投手。(b)勝投手の記録を得なかった投手。(c)最低3分の1の投球回が記録された投手。(d)次の項目のいずれかに該当する投手。(1)自チームが3点のリードのときに出場して、しかも最低1イニングを投げた場合。(2)塁上に走者が残されているとき、その走者か、走者および相対する打者、または、走者と相対する打者およびその次打者が得点すれば、タイとなる状況のもとで出場してリードを守り切った場合。塁上に走者が残されていないとき、相対する打者か、または、相対する打者およびその次打者が得点すれば、タイとなる状況のもとで出場してリードを守り切った場合。(3)最低3イニング投球した場合。」

 今回の中川選手のケースでは、(a)〜(c)の3項目を満たしたうえで、(d)の(3)をクリアしたために18点差の場面での登板でもセーブが記録されました。投手分業制が確立された時代ですから、セーブというと僅差のゲームでの、(d)の(1)および(2)を思い浮かべますが、大差でも終了まで投げ切り、3イニング以上を投げればセーブが記録されるのです。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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