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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

MLBで「投手は最低でも3人の打者に投じなければいけない」や「マウンドの高さ」など新ルールが話題に。日本でも採用される?

 

MLBでは「投手は最低でも3人の打者に投じなければいけない」や「マウンドの高さを低くする」、「投球間の時間は20秒」など、新たなルールへの変更が話し合われているというニュースを目にしました。日本でも同様のルールが採用されるのですか?

 あくまでもMLBサイドとMLB選手会が議論をしている段階の話で、現地でもこのルールが採用されると決まったわけではありません。しかし、正式に決まり、採用されれば、日本でも規則委員会等で話し合われることになるでしょう。このほかにも今回、MLBと選手会の話し合いでは「ロースター枠を26人に増やし、投手は最大で12人まで」や、「連続して年間90敗以上している球団に対してドラフトでペナルティ」など、多岐にわたった話し合いが行われたようです。

 なかでもファンを巻き込んでの議論となりそうなのが「投手は最低でも3人の打者に投じなければいけない」の部分ではないでしょうか。

 現在は“プレーヤー”の交代について触れた野球規則5.10(f)に「(前略)球審に手渡された打順表に記載されている投手は、第1打者またはその代打者がアウトになるかあるいは一塁に達するまで、投球する義務がある」や、同(g)に「ある投手に代わって救援に出た投手は、そのときの打者または代打者がアウトになるか一塁に達するか、あるいは攻守交代になるまで、投球する義務がある」と定められています。

 もちろん、病気や負傷の場合はその限りではありませんが、「3人の打者に投じなければならない」が採用されると、この部分が大幅に変更されることとなります。

 いわゆる一人一殺、ワンポイントリリーフという考えはなくなります。試合時間の短縮が目的のようですが、果たしてどうなるでしょうか。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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