セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦、DeNA対阪神(横浜)の4回、DeNAのラミレス監督が投手交代を告げに球審のもとに向かいましたが、交代が認められないというシーンがありました。なぜ、この場面で投手交代は認められなかったのでしょうか。 まずこのときの状況を整理しましょう。
4回表の阪神の攻撃で、一死三塁となった場面でした。DeNAのマウンドには
石田健大投手がおり、
三浦大輔投手コーチがタイムをとってマウンドへ。石田投手にアドバイスを送った後、ダグアウトに戻りました。このとき、ラミレス監督も通訳とともにダグアウトを出ており、石山智也球審の元へ。投手交代を告げましたが、一塁の土山剛弘塁審が×印を作りながら駆け寄り、投手交代ができないことを告げました。
なぜこの状況で投手交代が認められないのか。それは“プレーヤーの交代”について触れた野球規則5.10(l)の【注2】に以下のような決まりがあるからです。
「監督(またはコーチ)が投手のもとへ行った後、ファウルラインを越えて引き揚げたら、その投手は、そのときの打者がアウトになるか、走者になるか、または攻守交替になるまで投球した後でなければ退くことはできない。ただし、その打者に代打者が出た場合は、この限りではない」 質問のケースではラミレス監督が石山球審に投手交代を告げる前に、三浦コーチがファウルラインを越えてダグアウトに戻ってしまっていますから、石田投手は代打が出ない限り次打者に投球しなければいけない状況になってしまったわけです。結局、石田投手は次打者に右犠飛を許して1点を失い、この回限りで2番手・
今永昇太投手にマウンドを譲っています。[文責=編集部]