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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

一死三塁で右翼ファウルグラウンドに大飛球。右翼手が身を乗り出した観客に捕球を妨害された場合、判定はどうなる?この場合タッチアップした走者は?

 

一死三塁で打者が右翼ポール際のファウルエリアに高々と飛球を打ち上げました。右翼手はこの打球に追いつき、捕球姿勢に入りましたが、スタンドの観客が手にしたグラブをグラウンド内に差し出し、右翼手の触れる前にキャッチしてしまいました。この場合の判定はどうなりますか? また、観客が捕球したタイミングで右翼手が捕球したと判断した三塁走者はタッチアップをし、ホームを駆け抜けましたが、この場合、得点はどうなりますか。

 このケースでは観客が競技場内に身を乗り出して捕球をしており、これは選手のプレーを妨害したことになりますから、打者にアウトが宣告されます。“観衆の妨害”について触れた野球規則6.01(e)には「打球または送球に対して観衆の妨害があったときは、妨害と同時にボールデッドとなり、審判員は、もし妨害がなかったら競技はどのような状態になったかを判断して、ボールデッド後の処置をとる」とあり、

【規則説明】として「観衆が飛球を捕えようとする野手を明らかに妨害した場合には、審判員は打者に対してアウトを宣告する」と定められていますので、質問のケースは打者アウトとなります。

 なお、これはあくまでも観客が競技場内に乗り出してプレーを妨げた場合であって、逆に選手が飛球を追い、スタンド内に身を乗り出して捕球を試みたときにプレーを妨げられたとしても、妨害とは認められません。

 続いてタッチアップによる得点ですが、これは先ほどの6.01(e)に「審判員は、もし妨害がなかったら競技はどのような状態になったかを判断して、ボールデッド後の処置をとる」とありますから、最終的に審判員の判断にゆだねられることになりますが、質問の状況を考えれば、得点は認められるケースだと思います。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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