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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

9人そろわない状況で試合を行うことは許される?試合途中に故障などで欠けてしまった場合は?

 

草野球をしていますが、人数が集まらない関係で公式戦でなければ8人で試合を行ったり、守備時に相手チームからメンバーを借りて試合を行っています。プロではあり得ないと思いますが、高校野球や中学野球など、部員不足の問題がある学校では、公式戦の試合中に故障者が出て8人しかいなくなってしまうこともあると思いますが、その場合、9人そろわない状態で試合を続けることは許されているのでしょうか。

 許されていません。草野球などのローカルルールで可能な場合もあると思いますが、規則上はNGです。サッカーやラグビー、アイスホッケーなどは、選手が欠けた状況でも試合を続けることができますが、野球では許されません。

“フォーフィッテッドゲーム(没収試合)”について定めた野球規則7.03(b)には「一方のチームが競技場に9人のプレーヤーを位置させることができなくなるか、またはこれを拒否した場合、その試合はフォーフィッテッドゲームとなって相手チームの勝ちとなる」とあります。高校野球などでは9人で公式戦に臨むチーム(場合によってはほかの部からメンバーを借りる場合もあるでしょう)があると思いますが、仮に試合中にケガなどをしてしまった場合、プレー続行不可能となれば、残念ながらフォーフィッテッドゲームになってしまうでしょう。

 直近では2018年9月23日に行われた秋季沖縄大会3回戦の、沖縄高専高対豊見城南高(コザしんきんスタジアム)でフォーフィッテッドゲームがありました。1回裏に沖縄高専高の選手が熱中症により負傷退場、9人で臨んでいた沖縄高専高のプレー可能なメンバーが9人に満たなくなったため、没収試合が宣告され、豊見城南高の勝利となりました。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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