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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

MLBでは2020年からワンポイントリリーフが禁止に。日本の今年度の野球規則ではどうなっている?

 

投手の交代について、いわゆるワンポイントでの交代が認められなくなるという情報をニュースやこのコーナーでも目にしました。2020年度の日本の公認野球規則では、どのような変更がされているのでしょうか。

 MLBでは今年度(2020年度)から「投手は最低でも打者3人に対して投球を完了するか、イニング終了とならない限り交代はできない」という新ルールを導入し、質問の方が言う一人一殺の、ワンポイントリリーフ(※二死から登板し、1人を抑えるワンポイントであれば問題はありません)が禁止となりました。これはMLBでのルール改正であって、NPBでは今後、規則委員会等で話し合いがもたれることになります。

 今年度の規則に、ワンポイントの禁止について、まったく触れていないわけではありません。これまで投手交代については野球規則5.10(g)に「ある投手に代わって救援に出た投手は、そのときの打者または代打者がアウトになるか一塁に達するか、あるいは攻守交代になるまで、投球する義務がある。ただし、その投手が負傷または病気のために、それ以降投手としての競技続行が不可能になったと審判員が認めた場合を除く。」とされていましたが、今年度の規則改正でこの条文の後に以下の文章が追加されています。

「《以下はマイナーリーグで適用される。先発投手または救援投手は、打者がアウトになるか、一塁に達するかして、登板したときの打者(または代打者)から連続して最低3人の打者に投球するか、あるいは攻守交代になるまで、投球する義務がある。ただし、その投手が負傷または病気のために、それ以後投手としての競技続行が不可能になったと球審が認めた場合を除く。》」。MLBで導入された新ルールは1年後にNPBでも導入されることが多く、今後も注目のテーマといえます。果たしてどうなるでしょうか。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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