9月26日のヤクルト対阪神(神宮)で、8回裏のヤクルトの攻撃が始まる前に、阪神の矢野燿大監督と審判団とが言い合う場面がありました。報道では「情報伝達」が疑われたとのことですが、よく分かりません。どういうことでしょうか。 7回表の阪神の攻撃時、阪神ベンチがリクエストを要求した際に、ネクスト・バッタースサークルにいた
近本光司選手が外部(具体的には記者席にいた記者)と情報伝達したと疑われたものです。この件について、8回裏に阪神・矢野監督が投手交代を告げた際、審判団に指摘され、「情報伝達なんてするわけないだろう」(矢野監督)と口論になりました。
野球規則4.06に“ユニフォーム着用者の禁止事項”として、観衆に話しかけたり、スタンドに座ったり、相手チームプレーヤーとの親睦的態度について禁止していますが、今回のような外部との情報伝達については、セ・リーグのアグリーメントに記載があります。“情報のフェアな入手と利用に関する申し合わせ(2016年決定事項)”として(1)
「ベンチに入ることのできる者は、監督、コーチ、選手、スコアラー、マネジャー、通訳、トレーナー、広報と定められた人だけ」とされ、さらに
(2)
「試合中は、(1)に定めた以外の球団職員、関係者はベンチおよび各球団が決めた区域へ出入りしてはならない。上記の関係者は、無線、携帯電話、電子機器等の情報機器を使用して、監督、コーチ、選手にその試合に関する情報を伝えてはならない」と定められています。
今回は阪神サイドに「情報伝達」の意図がなかったとはいえ、近本選手がネット裏記者席の記者と、阪神ベンチからリクエストのあった当該プレーについて、「アウト、セーフ」のやり取りが行われているような、疑われる行為に見えたことを謝罪しています。[文責=編集部]