息子の少年野球を見ていたときのことです。一死走者一、三塁で、投手の投球と同時に走者が一斉にスタートを切り、打者がバントの構えです(スクイズ)。投球が外角高めに外れたため、打者が飛びついてバットに当て、見事にボールをフェアグラウンドに転がし、三塁走者はホームベースを駆け抜けましたが、球審はバッターにアウトを宣告し、走者をそれぞれ元の塁に戻して二死走者一、三塁から試合が再開されました。なぜですか。

　質問から考えられるのは、打者が高めに外れたボール球に飛びついた際に、足が打者席の外に出ていたことが考えられます。この場合、打者の反則行為としてアウトが宣告されることが、左記のように野球規則6.03(a)(1)に定められています。

「打者が片足または両足を完全にバッターボックスの外において打った場合」

　また、同規則の【原注】にも次のように記されています。

「本項は、打者が打者席の外に出てバットに当てた(フェアかファウルを問わない)とき、アウトを宣告されることを述べている。球審は、故意四球が企てられているとき、投球を打とうとする打者の足の位置に特に注意を払わなければならない。打者は打者席から跳び出したり、踏み出して投球を打つことは許されない」

　問いのケースでは打者がバントをフェア地域に転がしたとありますが、仮にファウルになっていたとしても、打者が打者席の外に足を踏み出してバントをしていたら、問いと同様に打者にアウトが宣告されます。

　今回はスクイズのケースですが、野球規則に想定されているように、敬遠するために大きく外した投球を打つ場合や、一般的なバントでも足が打者席から出やすい状況では反則を取られる可能性が大きいので、注意が必要です。[文責=編集部]