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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

打席数と打数の違いは? また、打席数と打数はどのようなときに用いられる?

 

記録についての質問です。打席数と打数の違いがはっきりとしません。教えてください。また、打数は打率等を計算する際に用いられると思いますが、打席はどのようなときに用いられているのでしょうか

「打席」は英語では「plateappearance(プレート・アピアランス)」、「打数」は「atbat(アット・バット)」で、記録上はそれぞれ、頭文字をとって「PA」「AB」と表記されることが多いです。単純に「打席」はバッターボックスに立った回数で、「打数」は打撃を完了した回数と表現すると分かりやすいでしょうか。

 打席数と打数に違いが生まれるのは、この打数(打撃を完了した回数)に含まれない打席結果があるからで、これは野球規則に次のように定められています。”公式記録の報告書”について触れた9.02(a)(1)に打数に参入しない項目として、

「(1)犠牲バントおよび犠牲フライ (2)四球 (3)死球 (4)妨害(インターフェア)または走塁妨害(オブストラクション)によって一塁を得た場合」

とあり、続く【注】には

「打者の打球に対して野手が選択守備を終わった後、その打者がオブストラクションによって一塁を許された場合には、打者に打数を記録する。また打者がオブストラクションによって一塁を得た場合でも、記録員がその打球を安打と判断したときには、打数を取り消さないで、打者に安打を記録する」

と決められています。

 例えば、打数を用いる代表的な記録としては[打率]があり、これは打者の打数(打撃を完了した回数)あたりの安打割合のことです。算出する計算式は「安打÷打数」、ほかにも[長打率]は「塁打÷打数」、[出塁率]は「(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)」とあります。

 打席に関しては、これらの順位を示すときに、「規定打席」が用いられ、NPBでは「所属チームが行った試合×3.1」。今季は120試合制ですから、シーズンの規定打席は372打席です。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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