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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

中堅手が三塁まで進んでいた一塁走者を刺そうと二塁へ送球。アウトは成立する?

 

一死走者一、三塁で、打者は左中間に大きなフライを打ち上げました。2人の走者はそれぞれ進塁を始めましたが、中堅手がこれを見事にキャッチしたため、離塁の小さかった三塁走者は一度帰塁してホームへ。一塁走者は二塁を回って三塁近くまで進んでいたので、あわてて一塁へ帰ろうと逆走です。中堅手はこれを見て素早く二塁に送球し、二塁手は一塁走者が二塁に触れる前に塁上でボールをもってアピールしました。ダブルプレーは成立するでしょうか。

野球規則5.19(C)で“アピールプレイ”について触れられており、この(1)には次の場合、アピールがあれば、走者はアウトとなるとして、

「飛球が捕らえられた後、走者が再度の触塁(リタッチ)を果たす前に、身体あるいはその塁に触塁された場合」

と定められています。ただし、ここでいう「その塁」とは、プレー開始時にいた塁のことです。質問のケースで中堅手が飛球を捕球時に二、三塁間に一塁走者がいて、この走者が一塁にかえるために二塁を通過する必要があるからといって二塁に触塁しても、アウトにはできません。質問のケースでは守備側のプレーヤーが勘違いをしていると考えられます。

 このケースで一塁走者をアウトにするためには、その一塁走者が一塁に帰塁する前に直接触球するか、または進塁の起点となる塁、つまり一塁に触球しなければ、アウトにすることはできません。

 なお、三塁走者の生還はこれが正規のリタッチによるもので、一塁走者が野手によってアウトにされるよりも前にホームを踏んでいれば得点が認められますが、三塁走者がホームを踏むよりも前に一塁走者が直接触球されるか、一塁に触球されれば得点は認められません。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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