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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

2021年度、マイナー・リーグでベースのサイズ変更や守備シフト禁止ルールが試験的に導入される。どういう内容?【前編】

 

将来的にMLBで導入することを目指して、今季、マイナー・リーグでベースのサイズが変更されたり、守備シフトが禁止されるというニュースを耳にしました。具体的にはどのような内容なのでしょうか。[前編]

 現地時間の3月11日にMLBが発表したリリースによれば、将来的にMLB公式戦で導入すべく、今季のマイナー・リーグ各4カテゴリー(3A、2A、ハイA、ローA)で、試験的にさまざまなルール(変更)が導入されるとのことです。代表的なものをいくつか紹介しましょう。

 まず、3Aで導入されるのがベースサイズの変更です。公認野球規則では“野球競技場区画”についても記述があり、ベースのサイズは15インチ(38.1センチ)四方と定められていますが、ホームベースを除く一〜三塁について、18インチ(45.72センチ)に拡大されます。ベース拡大の目的は、選手のケガ予防とコリジョン(衝突)を減らすことが第一にありますが、わずかではあるものの、塁間の距離が短くなることで、盗塁数(成功率)の増加、内野安打(バント安打含む)の増加が見込まれ、これによるスピーディーな野球が期待されています。

 また、2Aでは内野守備に関する新たなルールが追加されます。「守備側チームは、最低4選手が外野との境界線となる土の部分に、両足を接地すること」が義務づけられるとのことで、例えば左のプルヒッター対策として、内野手が全体的に右側により、1人が一、二塁間のやや後方(外野の芝生)に位置するような守備シフトは行えなくなります。データを駆使した守備シフトが全盛で、本来ヒットとなる打球がシフトの網にかかり、MLB全体の打率が下がっていることが新ルール導入の一因にあり、このルール変更の結果次第では、シーズンの後半から内野手は二塁ベースを挟んで両サイドに2人ずつ配置しなければならない、という新たなルールが導入されることも発表されています。次号に続きます。  [文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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